リシケーシの風 ーvol.7-② 10/24(金)──アーシュラム生活の始まり!

◆アーシュラムの一日
そう、5時からは夕方に開かれるサット・サンガです。
アーシュラムには“特別”があります。
建物の造りや仏像の色彩といった外側のことではなく、ただ生活しているだけで内側に何かが芽生える──それがアーシュラム生活にはあります。まるで心に種が撒かれ、少しずつ姿を現すように。
事前の説明会でも、メンバーには「どんな生活になるのか」「何が行われているのか」をお伝えしてきました。
“行ってみればわかる”という考え方もありますが、研修という性質上、心の準備はとても大切だと思ったからです。
アーシュラムの一日は、朝から晩まで、実はとても密度が高いのです。
以前いただいた〈アーシュラムのプログラム〉資料をもとに、順に紹介しながら進めていきます。
下記は過去のアーシュラムのプログラムです。成瀬先生がそれぞれのプログラムについてお話ししてくださり、聴いてわたしがまとめたものです。
アーシュラムのプログラム(新)
行事は自由参加ですが、「滞在者は修行に来ている」という大前提があります。
特に〈夜のサット・サンガ〉と〈バジャンホールでのマハー・マントラ〉は参加必須です。
◆修行とは──「行ないを修める」ということ
“修行”と聞くと、苦しく窮屈なものを想像しがちですが、本来は「行ないを修める」と書きます。
学びを身につけ、行為を正し、壊れたものを整える──サンスクリット語でいう sādhana(サーダナ)。
ヨーガにはヤマ・ニヤマがあり、仏教には五戒があります。
宗教という枠に限らず、「心の平安を求める生活」にはどこかに必ず〈戒〉があり、〈律〉があります。
それは“自分の魂が成長したいと願う力”のあらわれなのだと思います。
◆スヴァーミー・シヴァーナンダの精神
アーシュラムの食事は朝・昼・晩の3食に加え、ティータイムまであります。
主婦にとっては天国のような時間……ですが(笑)、もちろん目的はそこではありません。
ここで、以前まとめた小冊子から、スヴァーミー・シヴァーナンダの精神を少し引用します。
シヴァーナンダを一言で表すなら “奉仕の人”
一口でスヴァーミー・シヴァーナンダという方を表すとしたら、「奉仕の人」といえるのではないでしょうか。
スヴァーミー・グルデーヴ・シヴァーナンダは精神世界に入る前はマレーシアで医師として働いていました。しかし、そのから彼の奉仕の心は大きなものでした。治療費を払えない患者には無料で治療をし、貧しい人にはポケットマネーさえ与えていたということです。
後にリシケーシに来てからも、彼は年老いた修行者や病気のヨーギーのために尽くしました。サンタクロースのように大きな袋を担いでは彼らのところに行って薬や栄養のあるものを与えました。
一方で、自分にはたいへんな苦行を課していました。早朝に、凍るようなガンガーに入っては太陽が昇るまでマントラを唱えていたということです。奉仕と修行は並行して行なわなくてはなりません。
シヴァーナンダ・アーシュラムのスローガンともいえる「Serve, Love, Give」の筆頭にあげられているのがServe(奉仕しなさい)です。
シヴァーナンダ・アーシュラムはヨーガを学ぶためのアーシュラムです。しかし、グルデーヴ・シヴァーナンダは、ここリシケーシのシヴァーナンダ・アーシュラにヨーガを学びに来た人たちに第一に伝えたかったのがServe(奉仕しなさい)なのです。
アーサナや瞑想や哲学よりもまず学んで欲しかったのが他人へのServe(奉仕しなさい)だったのです。そして、これはスローガンなどではなく、グルデーヴ・シヴァーナンダの生き方そのものでもあったのです。
アーシュラムで与えられるすべて──
食事も、部屋も、祈りの場も、
「あなたの内なる Divine(神性)をどうぞ発揮してください」という願いからのものです。
◆滞在申請書に書くこと
アーシュラム滞在には、まず申請書があります。もちろん、わたしもまずこれを書いて提出しました。
・滞在の目的
・その目的に至るまでの精神的経験
・同行者との関係(必要な場合)
アーシュラム滞在をなぜ希望するのですか?と問われ、どうしてあなたは、そのような目的を持つようになったのですか?と、わたしの精神的な経歴まで記します。昔は、アーシュラムに来たときにレセプションで、面接のように問われたことだったように思います。口頭で問われたものが、書式として残っているのだと思います。
◆プログラムについて
今回の訪問も、ほぼ以前と同じ構成です。場所の名前は、変わっています。昔のバジャンホールは、現在はサマーディ・シュラインに。
ヨーガ・アーサナは、現在はクラスとして開講されておらず、女性のアーサナホールは工事中でした。(上記は、先生の話しから作成したので、男性用。女性のアーサナクラスは、かつて午後4時〜5時でした。)
かつて女性アーサナを担当していたニルマラナンダさんのことも耳にしましたが、噂は実際に会うまで判断しないこと──
そう思っていたところ、この滞在中に偶然お会いすることになったのです。「ああ、お会いできた」と、不思議に心が納まりました。
・アーシュラムの朝
- 5:30〜6:30 早朝瞑想
全日、全員で出席しました。
- 6:30〜7:30 シュリー・ヴィシュヴァナート・マンディールでのお祈り(アーラティ)
個人的にですが、私は滞在中一度だけでもと、このアーラティに参列しました。しかし他の日はすべて、この時間帯は〈秘密の場所〉で早朝ヨーガです。
- 7:30 朝食
カーン、カーン……と朝食の合図。
金属を叩くような鐘の音(個人的には、どうしてもお玉で鍋を叩いているような音に聞こえてしまい、笑ってしまうのですが)。軽い音ですが、案外と響き渡るのです。アーシュラム中のどこにいても、呼ばれるように人が集まってきます。
- 10:00〜12:00 講義
かつてのプログラムではヨーガやヴェーダンタ哲学の講義となっている時間帯、現在は総長先生であるヨーガスヴァルーパー・ナンダジーの講義(ダルシャンと呼ばれます)です。わたしたちは4回の出席を予定しました。実際はちょっと変わりましたが、この講義内容は、研修での講座という希稀なものですから、のちに紹介いたします。
ここまでがアーシュラム生活の「午前」。
自然と心が凪ぎ、背筋が伸び、何かが少しずつ整っていく──そんな時間です。
・ 午後
- 11:30〜/12:00〜 昼食
昼食は二部制です。食事はすべてダイニングホールですが、弁当箱を持って来る人たちがいます。比較的若い人で修行者でしょうか。もしかすると、高齢のグルへ食事を運ぶために来ているのかもしれません。
・ 夕暮れ〜夜
- 17:00〜18:30 アーラティ (夕方のサット・サンガ)
アーシュラムに到着した初日の最初のプログラムがこの夕暮れのサット・サンガでした。
グルデーヴが愛されたキールタンは、グルデヴ・クティールで毎日開かれます。どんな日も必ず開かれます。他のプログラムは、短くなったり、内容を変更し代替え行事が入ったりなどありますが、サンキールタンから夕暮れのアーラティまでの、このひと流れで行なわれる夕方のサット・サンガは変わらずいつも実施されるのです。
その名のとおり、ここは聖者グルデーヴ・シヴァーナンダの気配がいまも濃く残る、特別な空間です。
キールタンについては次のところで詳しく述べたいと思います。
- 19:00〜21:30 サット・サンガ
滞在者必須の夜のサット・サンガ。わたしたちはもちろん全日出席です。
ジャヤガネーシャ ・キールタンで始まり、グルへの礼拝、『ギーター』の瞑想と礼拝を唱え、聖典『バガヴァッド・ギーター』をサンスクリット語で読誦。その後に、日毎異なる内容になります。ゲストの講演や捧げの祈りやキールタンがあります。そして最後は総長先生、ヨーガスヴァルーパ ―ナンダジーのお話しです。
毎晩、ゲストがありましたね〜。その内容はこの「リシケーシの風」の時が流れるごとにお伝えしてまいりま〜す。
正直に書いてしまいますと、夜のサット・サンガは……とにかく長丁場でアリマスっ。2時間半です。夢中であっという間だった!という日は…御免なさい、これまでに一度もありませんデス、はい(汗)。夕方のサット・サンガから、追えたら走って食事を摂って、この夜のサット・サンガまでは一挙連なった、まさに修行です。
朝の修行に、夜の修行。日中には、以前はサンスクリット語の学習をしていました。スヴァーミー・ハムサナンダジーがお元気でした。ハムサナンダジーは、いま、アーシュラム内の病室にいらして、午後15〜17時の間のみ、面会が許可されていました。ちょうどその時間に勉強会があったのです。
さてここまで、アーシュラムの一日を見てきましたが、最後に付録です。
◆アーシュラムについて──スヴァーミー・サティヤーナンダの講話録より
ここで、シヴァーナンダ師の高弟スヴァーミー・サティヤーナンダ(のちにビハール・スクール・オブ・ヨーガを創設)による「アーシュラムに関する質疑応答」から、いくつか印象的なことばを紹介したいと思います。
※原文は長いので、ここでは要点のみを抜粋し、わかりやすく意訳しています。
1.質問者:アーシュラムで暮らす意味は何ですか?
「アーシュラムとは シュラム śrama「仕事・労働」という意味の言葉から来ています。
ここでは二つの“仕事”が絶え間なく行われています。
一つは、自分自身を変革しようとする内的な努力。
もう一つは、掃除・料理・雑務などの外側の仕事です。
質素な暮らしの中で、王であろうと庶民であろうと、人はみな自分の答えを見出していきます。」
2.アーシュラムの生活はどのようなものですか?
「アーシュラムの一日は、世界中のどんな生活方法とも大きく異なっています。とてもシンプルで規則的です。
早朝に起き、掃除をし、学び、肉体労働をし、人のために働きます。
宗教的儀式をことさらに強要することはなく、互いに助け合いながら、静かに暮らしていきます。
そして、アーシュラムにいる人たちが最も好んでいるのが、夜、キールタンを歌うことです。強制的でないにもかかわらず、ほとんどの人がキールタンに参加します。
最も“強制されている”ことといえば、
早起きして夜は早く自分の部屋に戻ることぐらいでしょう。」
3.在家の人がアーシュラムに行く理由を教えてください。
「快適すぎる生活は、どうしても意志力を弱くしてしまいます。
反対に、ある程度の不便さや質素さは、心を強くします。
だから在家の人も、ときどきアーシュラムに滞在してみるとよいのです。
子どもにとっても、束縛の少ない共同生活を経験する貴重な場になります。」
4.歌やキールタンの重要性は何ですか?
「音楽は心と神経に大きな影響を与えます。
中でもキールタンは、心を静め、力を与え、
不安や混乱を洗い流してくれます。
それは“単なる音楽会”ではなく、修行の一つなのです。」
5.家庭でアーシュラムの精神を生かすには?
「在家生活の目的は、欲望を積み上げることではなく、
義務を果たしつつ、それらを少しずつ手放していくことです。
アーシュラムで見つけた良い生活のリズムを、
自分の家にも持ち帰りなさい。
質素さと調和のある生活をつくるとき、
在家の暮らしも、とても崇高なものになります。」
わたしたちも短い滞在ではありましたが、このアーシュラム生活の
“質素で規則正しい暮らしの中で、自分を見つめ直す”
このアーシュラムの空気を、少しだけ味わわせていただいたのだと思います。
つづく〜
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今回の研修旅行では、「共に過ごす時間の尊さ」、
そして、「影響を受けることー共存」を改めて感じました。
研修中に感じたこと、気づき、喜びを、
少しずつみなさまと共有できたら幸せです。
ブログ、そして月刊の『新聞』(再スタート?)でも、
この美しく吉祥な旅の記録をお届けしてまいります。
どうぞお楽しみに。
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