リシケーシの風 10/25(土)──アーシュラム2日目②(vol.12)
10/25(土)──アーシュラム2日目②

◆ 共同生活
このときI.Kさんのアラームが鳴りました。
早朝瞑想は5:30〜と冬時間です。
ぎりぎりに飛び込むわけにはいきませんので、部屋を5時10分くらいまでには出たいものです。
昨夜わたしたちは、起床時間を4時にセットしました。
わたしがひとりフライングで10分前にセットしたのには訳があります。
4人部屋で洗面所とトイレがひとつだったからです。
独りでするので、みなさんとの時間内でするわけにはゆかないのです。
それで10分前に起きたのです。
みなさんとの時間内でするわけにはいかないのはなぜかと言いますと、つまらないことを掴んで離さないでいるのでは?と言われそうです。
そうです。
その通りです。
執着です。
これだけは、ゆずれない。
独りのときに、交わしたいのですね……。
サーダナ・エゴです。
『シヴァーナンダ・ヨーガ』という師の著作にある一文で、 「ガンジスの右岸では毎朝この時間帯、かなり強い風が吹きます。グルデーヴは厚いコートとヨールをターヴァンのように巻いて、いつも4時きっかりに部屋から出て来られました。小さなクティールから出てこられる悟りを開かれた聖者のお姿はとても感動的で、わたしたちはたいへん勇気づけられたものです。」
と
こんな場面が出てきます。
初めてこの一文を読んだとき、弟子でこの一文を著すスヴァーミー・ヴェーンカテーシャナンダさんの気持ちが手にとるように分かり涙が溢れてきて頷きました。
また、
「グルデーヴの部屋には小さな祭壇があり、その祭壇でのプージャが終わらない限り、ご自分は何も召し上がりませんでした。」
この一文も同様も、シヴァーナンダさんの本意は分かりませんが、
(あ〜わかるような気がする。
初めの感覚は大事。
毎朝、誕生したてのようなこの小さな体という宿に、
いったいどのように響くのか、
何がどうなのか
丁寧に観察し、感じ、受け取りたい……)
と思うのです。
勇気づけ合えるもの同士の生活。互いにひとつの志に向かい、共同で応援しあい、高め合う毎日。
このような生活は誰しもに平等にあたえられているのだと思います。
人間としてここに誕生したというのは、ここで、応援しあったり、勇気を与えてもらったり、与えられることに気付きなさいということなのだと思います。
人間として、関わりの中に誕生できたことはギフトです。
ただしそれは、関わりが中心ではありません。
誕生し与えられたこの魂の成長過程に
必要
という意味でギフトです。
中心は関係ではなく、それに気づき高めようと歩む自己の霊性の成長です。
「おはようございます」
I.Kさんは言ってくださいました。わたしもその心に応じて合掌して頭を下げました。
「洗面所に入ります」。「これよりトイレを数分使わせていただきます」。「服装はこれでよいでしょうか」。
YさんやKさんも起きたようで、順番にこちらの部屋にあるトイレや洗面所へやって来られます。
「おはようございます。」
微笑んで見せてくださいました。
わたしはみなさんの挨拶や、それぞれのどの言葉にも深々と頭を下げました。
(ええ、どうぞ、どうぞ。)
(おはようございます、今日も一日どうぞよろしくお願いしますね。)
5時10分
「では、出発しましょうか。」
イシュヴァル・バーヴァンを出てまだ真っ暗な階段を静かに降ります。
コツン、コツン。
わたしの木靴、サボの音が響きます。
サボはサンダルですから装着が楽なので、たくさんの場所を回るアーシュラム生活には向いているのです。が、音が立つのは失敗でした。
気を使って歩かねばならないので、体重の掛け方のコツをつかまなくてはなりません。
気づかいはこんなところに使いたくありません。
Ishwar Bhavan。
この宿泊所の名前ですが、イシュヴァルと呼ばれていますが、梵語だと
イシュヴァラ・バーヴァナīśvara-bhāvana
になるかと思うのですが、どうなのだろう。
. . .
思っていれば、きっといつか教わる機会や尋ねられるときがやってくるでしょう……。
梵語辞典では
Īśvaraは「自在なる主(主宰者)」、
bhāvanaは、「住まい/建物」あるいは「育てること・増進」
といった語感があるようです。
夜明け前、月明かりの中、メディテーション・ホールへ向かいます。
やはり、先頭を歩かせてもらいました。
黙って歩いていきました。
途中、黙々とひとりゆくのもどうかと思って振り返りますと……
3人とも静々と 歩かれていました。
それぞれに何かを味わっておられるのでしょう。
ハリオーム🙏
——
つづく〜
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